在学生の方へ
卒論・進級試験
数学科で4年次に進級するためには、3年次後期に実施される進級試験に合格しなければなりません。3年次になると、自習室で互いに教え合う姿が見られます。また、3年次の夏休みに合宿をして進級試験の準備をする学生達もいます。進級試験のための勉強がもっとも記憶に残ったという感想をよく聞きます。
進級試験に合格すると、いよいよ最終学年です。数学科では卒業のために卒業論文が課せられます。卒業論文は自分が選択した4年セミナーの担当教員の指導をうけながら、テーマごとに8名以下のグループに分かれて作成します。テーマは解析学・代数学・幾何学・確率論・その他さまざまです。1月に行う発表会は4年間の集大成になります。毎年バラエティに富んだ論文が発表されます。2015年度に提出された論文のテーマを紹介します。
- フーリエ積分の収束と種々の性質について
- フーリエ級数とその基本的な性質
- フーリエ級数の性質
- フーリエの方法による波動方程式の構成
- フーリエ解析・ラプラス変換の偏微分方程式への応用
- フーリエ級数とラプラス方程式の境界値問題について
- 対称ガウスランダム行列の固有値分布
- 定常ガウス過程
- 離散時間マルチンゲール
- マルコフ過程
- 非線形波動とKdV方程式
- KdV方程式の研究
- KdV方程式と戸田格子のソリトン解と楕円関数解
- 離散時間力学系と連続時間力学系のカオス
- 格子のラックス形式と保存量
- 双対格子と非線形格子波動
- メビウス変換とショットキー群
- 円を対にする2つのメビウス変換が描く図形
- フラクタル図形
- グラフ理論
- バナッハ=タルスキーのパラドックス
- 方程式のべき根による可解性と作図問題-ガロア理論の応用-
- 5次以上の代数方程式に解の公式が存在しないことについて
- 数の小数による表現
- 連分数と無理数の有理数における近似
- 有理数体上2次のユークリッド体について
- ディオファントス方程式を解く~整数環を用いた解法
- Waringの問題とその発展的考察
- グランディ数列の研究
- チャヌシッチ
4年セミナーでは、後期に入ると個々の卒論のテーマが定まります。具体的なテーマが決まると、勉強意欲がさらに高まります。特に発表前の数週間は、生き生きと発表の準備に打ち込みます。卒論発表の機会を通して、さらに4年セミナーの仲間の一体感が強まり、長く続く友人関係が生まれることも多いようです。