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学科内容: 専門科目

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多くの専門科目が講義と演習のセットになっています。おおまかに言えば、講義では理論を学び、演習では関連する計算練習や具体例を扱います。

以下は、数学科の1、2年次に学ぶ専門科目について説明します。
なお、3、4年次にはより進んだ内容を持った科目が提供されており、それぞれの興味に従って履修することができます。「代数学」、「幾何学A」、「幾何学B」、「複素解析学」、「関数解析」、「ルベーグ積分」、「測度論的確率論」などがあります。

1年生

数学序論

この科目で扱う内容は、正確な数学の議論をするために必要な、いわば言葉使いに関するものです。集合と論理について、高等学校で一度学んだことのおさらいをして、その続きを勉強します。特に、二つの集合の間の「写像」と呼ばれる考え方が大切です。写像は関数の一般化であるといえ、例えばベクトルの内積なども写像と思うことができます。また、\( \ \forall \ \)や\( \ \exists \ \)といった、論理記号についても学びます。

解析学基礎I

微分積分学は大学数学の基礎をなす科目です。解析学基礎Iでは、まず、高等学校で学んだ1変数関数の極限や微分積分ついて更に深く掘り下げて勉強します。また、高校では習わなかった「テイラーの定理」なども新たに学びます。テイラーの定理を用いることで、例えば、円周率\(\pi \)の小数第10位までの値は何かなど様々な数の近似値を計算することが出来ます。また、数値解析においても、テイラーの定理は重要な役割を果たします。

後半では、多変数関数の微分についても学びます。例えば、\(f(x, y) = xy\) とすると、\(f\)の値は\(x, y\)によって変わりますので、\(f\)は2変数関数といいます。多変数関数とは、変数が2つ以上ある関数です。多変数関数においては、1変数では見られなかった興味深い現象が起きることがあり、それらについて学びます。

線形代数学I

微分積分学とともに大学数学の基礎をなす線形代数学を勉強します。まず、\(m\)行\(n\)列の行列と長さ\(n\)の数ベクトルについて、和や積やスカラー倍の定義と性質を学びます。行列を用いることで、多変数連立1次方程式の統一的な解法を与えることができます。さらに、\(n\)行\(n\)列の行列(正方行列)について、逆行列や行列式の様々な性質や計算法を学びます。

2年生

解析学基礎II

最初は解析学基礎Iに引き続き、多変数の積分について学びます。1変数の積分では、直線上での積分しかありませんが、ここでは、長方形、円や三角形など様々な領域上での積分を計算します。

その後でべクトル解析について学びます。ベクトルを値にもつ関数をベクトル値関数といいますが、ベクトル解析では、そのベクトル値関数の微分、積分に関する性質を調べます。ベクトル解析を用いることで、いろいろな曲線の長さや曲面の面積を計算することが出来ます。また、物理とも関連が深く、例えば、電磁気学や流体力学などにおいては重要な役割を果たします。そして、ベクトル解析は、3年生以降で学ぶ複素解析や微分方程式等にも応用されます。

線形代数学II

抽象的なベクトル空間を導入します。これにより、数ベクトル全体の集合だけでなく、関数全体からなる集合や数列全体の集合など、実に多くの対象を一つの視点から扱うことができる様になります。ベクトル空間の基底や次元、2つのベクトル空間の間の線形写像について調べます。特に、適当な座標変換で線形変換が単純な正方行列で表現されるための条件や、計算方法について学びます。

幾何学入門・位相入門

数直線の上の点どうしはばらばらにあるのではなく、つながっています。微分積分学で学んだ数列の極限や関数の連続性といった概念は、このことと深い関係があります。位相という考え方は、微積分学の厳密化を目指す中で徐々に育まれてきたもので、連続性に関わる数学には必ず登場するキーワードです。幾何学入門・位相入門の目標は、連続性とは何かという問に、数学的にきちんとした形で答えることです。

数値解析入門

前半では、微分方程式の初歩について学びます。微分方程式とは、未知関数とその導関数からなる関係式のことです。多くの自然現象や社会現象に微分方程式は現れます。数値解析入門で学ぶもののなかでは、例えば、放射性元素の崩壊や複利年金の計算、および電気回路に流れる電荷の動きなど多岐に渡ります。一般に微分方程式の解は明示的に表せないものがほとんどですが、一部には、具体的に解が求まるものがあります。ここでは、そのような微分方程式に焦点を絞り、どのようにして解を求めることが出来るかを学びます。

後半では、フーリエ解析について学びます。フーリエ解析は現代の数学、特に解析学と呼ばれる分野では必要不可欠な道具です。例えば、波動方程式や熱伝導方程式という微分方程式がありますが、その解はフーリエ解析を用いると、容易に求めることが出来ます。それ以外にも、画像処理や信号処理など現実の社会にも応用され、幅広く用いられています。ここでは、フーリエ解析の中でも、フーリエ級数と呼ばれる級数の計算法について学びます。

代数学基礎・代数入門

代数学基礎では主に合同式について学びます。例えば\(3\)と\(18\)はその差が\(5\)の倍数になっているので、\(3\)と\(18\)は「\(5\)を法として合同である」と言います。合同式の考え方を用いれば、例えば\( 2^{100}\)を\(5\)で割った余りはいくつかという様な問いに、\( 2^{100}\)を実際に計算することなく答えることができる様になります。合同式は同値関係と呼ばれるものの一例であり、その扱いに慣れておくことは代数入門において抽象的な概念を学ぶ際の助けとなります。

代数入門では「群」について学びます。これは対称性を記述するための抽象的な概念ですが、例えばあみだくじなどもその例になっています。具体的な例を交えながら、部分群、剰余類、正規部分群、準同型写像などの基本的な概念について学びます。

確率統計入門(3)(4)

まず、確率の性質を習い、様々な確率の計算法とその応用を勉強します。次に、ランダムな変数の概念を習い、その平均や分散の性質や計算法を勉強します。ここで、重要なのが、ランダムな変数の独立性の概念です。また、確率論の統計学への応用として、データからランダムな変数の値の取り得る範囲の求め方を勉強します。