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数学科の目指すもの・沿革

―数学を通して壮大な宇宙を体感する!ー

数学は「科学の言葉」ともいわれ、自然や社会の様々な現象を解き明かすためになくてはならないものです。ともすれば、数学は机上の空論であり、頭の中だけにあって実際に役に立たない遊びのようなものと思われがちです。しかし、これまで数学者が築きあげてきた理論をもとにして、多くの科学技術が産み出されています。「構造」のあるところには必ず何らかの数学がある、と言うこともできるかもしれません。数学を学習・研究するということは、人類が紀元前から長い間かけて築き上げてきた壮大な知のパノラマ(「宇宙」)を現代の私たちが体感し、またそれらを次の時代に発展させて継承する、ということです。

では、そんな数学の世界を体感するために、どんな人が数学科に入るのでしょうか。これまで数学を考えるのが好きだった人、難しそうに見えた問題がアイディアを使うときれいに解け、素晴らしいと感じた経験をもつ人や、社会で数学がどのように使われているのか知りたい人、また将来数学の先生になりたい人など、いろいろな切り口から数学科に入り、数学を学ぶことができます。

数学科に入ったら何を学ぶのでしょうか。まず、あらゆる分野に必要な基礎的な勉強をします。具体的には、1,2年次に集合や写像の概念、微分積分学、線形代数学を学び、これらの知識を自由に使いこなせるようにします。そして3年次に、代数学、解析学、幾何学、応用数学の各分野における基本的な理論を学習します。3年次までに積み上げられてきた基礎をもとにして、4年次では自分の学ぶ分野を決めます。そしてその分野におけるテキストを選び、そのテキストをもとにして最先端につながる数学を学びます。大学では、今まで多くの皆さんが素通りしてきた“定義“(数学に用いられている言葉の説明)や“定理”(正しいことが証明されている永遠不滅の真理)の見直しから始まりますので、戸惑うことも多いかもしれません。が、それらを基礎から学ぶことにより、どのようにして人間がその概念に到達したかが納得できるようになり、より数学に対する視野が広がります。難しい学問である数学ですが、各学年には少人数のセミナーが設けられ、基礎的な科目には問題演習の時間があり、皆さんの理解が深まるようにしています。また教員はいつでも質問を受けつけています。

このようにして数学を学んでいくと、確固とした揺るぎない壮大な数学の世界の一部を体感できるだけでなく、「論理的構成力」、「抽象的理解力」や「想像力」、「自ら考える習慣」といった、これからの社会になくてはならない基本的な力が身につきます。同時に、さまざまな自然現象や社会現象を分析する道具を学ぶこともできるのです。

津田塾大学数学科の沿革

1943 (昭和18) 年 「津田英学塾」から「津田塾専門学校」と改称 「理科」新設認可 数学科と物理化学科増設
1948 (昭和23) 年 「津田塾大学」設立 (学芸学部英文学科を置く)
1949 (昭和24) 年 学芸学部数学科設置認可
1963 (昭和38) 年 大学院設置、(文学研究科英文学専攻修士課程および)理学研究科数学専攻修士課程を置く
1972 (昭和47) 年 理学研究科数学専攻博士課程認可
1988 (昭和63) 年 数学・計算機科学研究所を設置
1996 (平成8) 年 数学科を情報数理科学科と改称
2001 (平成13) 年 軽井沢セミナーハウス落成*
2006 (平成18) 年 情報数理科学科を分離し、数学科・情報科学科開設

*津田塾大学の理事長をされていた、数学者故彌永昌吉先生から寄贈された土地に作られた建物(上の写真)